渡邊雄太選手所属!NBAのトロント・ラプターズが、今アツい。

2021.04.21 2021.07.28

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ここ数年、プロバスケットボールチームのトロント・ラプターズがカナダで注目を集めているホットなコンテンツになっています。バスケに詳しくない人たちにとっては馴染みのない人も多いかもしれませんが、現地トロントではスポーツに疎い人でも9割の人が知っていると言っても過言ではないほどの盛り上がりを見せています。

今回はそんな「ラプターズってそもそも何?」「興味はあるけどどう楽しめば良いかわからない」「もっと詳しくなりたい」という人に向けて、トロント歴10年の私が「ラプターズのこと知りたいならこれだけ読んでおけ」と胸を張って言える内容をご用意しました!

トロント・ラプターズとは?

https://www.futureproofmedia.ie/ より引用

NBAに所属するカナダ唯一のバスケチーム

NBA (National Basketball  AssociationNationalsNationa) とは、1947年にアメリカに発足したプロバスケットボールリーグで、他リーグとの合併を経ながら長らく世界のトップリーグとして存在しています。2021年現在はアメリカの都市を主に拠点にした30チームが所属しています。その中で、アメリカ国外の都市を拠点としている唯一のチームが、トロント・ラプターズです。

1995年シーズンからリーグに参加することになったラプターズは当時、世界に影響を与えた映画「ジュラシックパーク」を由来として命名されたと言われています。チーム名の決定は公募により行われ、他の最終候補には「ビーバーズ」「ドラゴンズ」「ボブキャッツ」などがあったとされています。

KK TIPS

ラプターズの名前を最終決定した1人はT-Rexにしようと思ったが、息子がラプターズの方を気に入り、新しい世代を巻き込まないと考えていた思いも重なりこのチーム名に決定する後押しになった、という裏話も。

チーム設立当初に決められたチームカラーは「パープル」「レッド」「ブラック」「シルバー」でした。2008年からはカナダのチームという存在を押し出し、カナダ国旗にも使われている赤をチームカラーとして使用しています。

左は旧ロゴで、2015年から右側のロゴに一新されました。しかしファンからはいまだに旧ロゴの人気も衰えず現在もたくさんのユニフォームやグッズ等で使用されています。

ラプターズの歴史

前述した通り、ラプターズは1995年からNBAに参入した、リーグの歴史から見れば新しいチームです。ラプターズの後に参入したチームは厳密に言うと1つしかないので、現在でも2番目に新しいチームということになります。本拠地を変える際に名前や経営母体を変えたチームもありますが、それらを含めたとしても3番目に新しいチームです。

新規(エクスパンチョンチーム)としての参入は決まって弱小スタートが運命ですが、ラプターズも例外にはなれませんでした。1999−2000シーズンまでの5年間プレイオフ*とは程遠い不遇の時代を過ごしたのち、2000年で初のプレイオフ進出、2006年にはアトランティック地区優勝など、2014年にイースタンカンファレンス決勝進出、そし2019年にリーグ初優勝を経験するなど、着実に歴史を作っているチームです。

*プレイオフ : 決勝トーナメントのようなもの。東西地区で別れたトーナメントを4戦先勝で勝ち進み、各地区を勝ち抜いた2チームがファイナルシリーズとして優勝を争う。

ラプターズの公式トレイラー動画です。かっこいいので是非見てみてください。

ラプターズがアツい3つの理由

1. 初のチャンピオンに輝く

Toronto Star (https://www.thestar.com/) より引用

2014−2015シーズンから、ラプターズは東カンファレンス*の強豪として名を連ねる常連になっていましたが、優勝には届かない存在と言われ続けていました。その1番の理由は絶対的なエースがいないこと。その状況を打破するべく、球団社長のマサイ・ウジリが仕掛けたのがカワイ・レナードという選手の獲得です。レナードはその時既にリーグのベストプレイヤーに数えられる選手で、在籍していたチームと不仲になりトレード先を探していたところを狙った形でした。

*東カンファレンス : NBAは東西で2つのカンファレンスに別れ、そこから更に3つずつのディビジョンに別れる地区編成をしています。シーズンを通して全チームと対戦する事になっていますが、所属する地区の違いによって対戦チームとの対決数が異なります。ラプターズはこの中で東側のイースタンカンファレンス、アトランティックディビジョンに所属しています。

このトレードにはそれまで生え抜きの選手で、キャリアをトロントで終えたいと公言していたオールスター選手のデマー・デローザンを失う事、レナード自身は出身のカリフォルニアにあるチームへの移籍を望んでいたこと、契約年数が残り1年であったことからモチベーションやチームに留まらない可能性など、リスクが大きいトレードでしたが、見事に1年で優勝を飾ります。

ラプターズが2013年ごろから年々強豪チームになっていた事もあり、ラプターズへの盛り上がりはトレード以前からヒートアップしていましたが、リーグを代表するレベルの選手獲得、そして優勝というサクセスストーリーでファンの盛り上がりは頂点に達しました。

元々、数年前から“リーグ1熱いファンがいる街“と言われることもあったトロントでしたが、優勝した2019年のプレイオフでは、ジュラシックパークと呼ばれ大スクリーンを見ながら応援するアリーナ屋外スペースが例年の2、3倍の広さで確保されたり、優勝直後の夜トロント市街をファンが埋め尽くし、トロントの市内から1番長く続いている道Yonge  StreetがSteelまで渋滞したことも大きく話題になりました(新宿から上野位の距離間)。その後の優勝パレードでは150万人のファンが押し寄せたと言われています。トロントの人口は600万人以上。街に住む約4分の1の数の人達がパレードに参加したと考えると、その盛り上がり様が分かりますね。

残念ながら大方の予想通り、レナードは優勝に貢献したのちたった1年で移籍してしまいました。その直後の2019-2020シーズン、ラプターズは優勝時の主力選手をレナード以外、フルメンバー残したまま、レナード無しでも優勝出来ることを証明しようとしましたが敗退。その後ベテラン組も複数名チームを去ってしまい、残る若手を中心にチームを作る再建期に差し掛かる事になったのが今のラプターズです。

The Athletic (https://theathletic.com/) より引用

しかし今でも、ラプターズは若手の有望な選手を多く確保しています。昨シーズンにオールスターに初選出されたパスカル・シアカム (写真左) やシーズン前に大型契約を締結したフレッド・バンブリート (写真右) など、優勝を経験した若手選手がそのまま在籍しチームの基盤になるであろうメンツは既に揃っています。低迷期からチームを引っ張り、キャプテンCを発揮するベテランのカイル・ラウリーはもう34歳。世代交代が完全に為される前にどれだけチームを作れるかが、今のラプターズの1番の見所になっています。

2. 日本人選手との契約

日本代表選手として2018年の世界選手権を戦った渡邊雄太が、シーズン開始前にラプターズと契約しました。2ウェイ契約という、下部リーグでプレイすることも想定された契約内容で本契約のために壁がもうひとつある状態ですが、トロントのチームに日本人がいるというだけで応援する大きな理由になるんではないでしょうか?

追記:2021年4月19日に晴れてラプターズとの本契約に至りました!

NBA Entertainment

現在NBAに在籍する日本人はたったの2人。

ウィザーズの八村塁はメディアでも話題になり知ってる方も多いかと思いますが、実は渡邊雄太の方が一足先、1年早くNBA入りを果たしています。八村塁はドラフトでNBA入りした選手で、一方渡邊はドラフト外から契約にこぎ着けている選手という状況の違いはありますが、渡邊が歩んできた方法の方が日本人がNBA入りを目指せる可能性の高いパターンになってくると思います。渡邊雄太は今、NBAを目指す日本人選手にとって道標になるテストケースとも言えます。彼がどれだけNBAで通用するかで、今後日本人選手誕生の可能性が変わってくるかもしれません。

NBAのコートに立った日本人選手は彼ら2人の前にはたった1人。ほぼパイオニアと言っても良い日本人選手の活躍を確認できるのは、ラプターズに注目する大きなトピックになりますね。

KK TIPS

もう1人の日本人選手、八村塁が所属しているのはワシントンウィザーズ。トロントラプターズとはシーズンに3〜4回対戦します(シーズンによる)。トロントでの試合は毎年1〜2度しかないので、日本人選手の活躍を少しでも多く見たい場合は事前にスケジュールを確認しておきましょう。

こちらの記事ではラプターズに所属する他の選手もご紹介しています!気になる方は是非チェックしてみてください。お気に入りの選手を見つけてみましょう!

3. チーム資産価値が高い

ビジネスからの視点でラプターズを見てみても、注目が集まっているコンテンツなのががわかります。
カナダ唯一のNBAチームという事もあって、ラプターズはチーム資産価値がリーグでも上位の評価をされています。2021年Forbes*の発表ではラプターズの資産価値はNBA30チーム中10位の$2.15B(日本円で約2,150億円)。

*Forbes : アメリカで有名なビジネス誌。金融や投資などの情報を多く取り扱う。

2021 Forbes

これはカナダ唯一のチームとしては目を見張る高評価で、1位のニューヨークニックスは長年1位を保っている資産価値の高いことで有名なスポーツチームですが、その資産価値は$5.0B (約5,000億円)。単純な資産価値では倍以上の値段差がついていますが、トロントの人口600万人とNYの2000万人を比較すれば、トロントでその資産価値を評価された凄さがわかります。直近5年の資産価値上昇率ではリーグ内5位の222%を記録していて、エンターテイメントとしての注目がまさに集まっている最中です。2018年にScotia Bank (カナダのメガバンクのひとつ) と20年$640M (約6億4000万) の大型スポンサー契約も話題になり、その注目度が伺えました。

これによりトロントラプターズはNBAチームでもトップレベルのスポンサー収入を持つチームになっています。北米トップレベルのスポーツエンターテイメントを体感するとしたら、ラプターズは注目されるべきコンテンツのひとつです。

北米屈指のスポーツエンターテイメントを体感しよう!

ラプターズをアリーナで応援

以上の理由からカナダでバスケットボール、そしてラプターズは今最も熱いエンターテイメントコンテンツのひとつです。

人気と比例してチケットの値段もここ数年でリーグ上位に押し上げられています。2019年、Yahoo!financeによると、ラプターズの平均チケット価格は$179でリーグ7位(30チーム中)でした。楽しむ側としてチケット価格の高騰はハードルが高くなる問題ではありますが、それだけ人気が上がっていることの証明でもありますね。

KK TIPS

ちなみに、アリーナ内のビールは値段が高い事で有名ですが、トロントラプターズのホームアリーナScotia Bank Arenaでの値段は$11.50から。高い事に変わりはありませんが、これは大都市にあるチームでの値段としては比較的お得なので楽しみやすい要因になるかもしれません。

NBA公式サイト (https://www.nba.com/) より引用

一般的にチケット購入ができるのは1階席と3階席ですが、断然おすすめなのは1階席。チケットの価格は高くなってしまいますが、選手を近くで見るのは予想以上に迫力があります。息遣いや声が聞こえてくるのも1階席ならでは。2メートルを越えた巨人達が物凄いスピードで行き来する様は圧巻です。アリーナ内の音や声援が響きわたる感覚を直接体感できるので、そこから感じるアリーナの一体感や臨場感は、野外音楽イベントやライブが好きな人が共感できるような楽しさが味わえます。
常に観客を楽しませる手法も多く取り入れられていて、
専属DJやタイムアウト中のイベントなど、バスケそのものに加えてエンターテイメントとしての側面でも充実した体験ができます。そして何より、1階席はシートに座った状態で飲食をオーダー可能。行き着く暇もなくプレイが続くバスケットボールを観戦する時に席からオーダーできるのはありがたいサービスですね。

とはいえ、3階席からも充分楽しめます。コートは遠くから見る事になりますが、純粋にバスケットボールを見たい人にとっては全体が見やすいので良いかもしれません。2016年にNBAオールスターゲームを招致した関係でアリーナの改装が行われ設備がアップデートされたので、多少の変化ではありますが、より楽しみやすい環境になりました。アリーナ天井に吊るされているスクリーンは倍以上のサイズになり、以前より断然観戦がしやすくなっています。3階席からの方がアリーナの全体像が把握できるので、とりあえずどんなものか体験してみたい、試合中にアリーナがエンターテイメントとしてどんな風に動いているかという部分を確認したい人にとっては3階席で確かめてみるのが良いかもしれません。

NBA公式サイト (https://www.nba.com/) より引用

しかし優勝したばかりということや、ここ数年で人気が上がっていることも影響して、3階席のチケットでも$100を越えることが珍しくなくなりました。1階席でコートを見やすい席は$300でも買えない事も。角度を選ばなければ同じような値段で1階席を購入することもできる日もあり、コストパフォーマンスを考えてもどうせ行くなら1階席にトライすることをお勧めします。

2019-2020年シーズンの感覚で言うと、3階席は$60~、1階席は$120前後〜、というイメージです。しかし、NBAのチケットはチームの人気や活躍、対戦相手によって上下しやすいので、絶対この値段で買えると断定はできません。ちなみにチームが弱小だった2010年頃は$10で買えた年もあります。一方で2019年シーズンの時、筆者は$60ドルで買えたタイミングは一度もありませんでした...

直接見に行かなくても楽しむ方法!

スポーツバーはコスパ最強のラプターズ応援方法

スポーツファンとしては直接試合観戦するのが1番楽しい!とおすすめしていますが、アリーナで直接観戦に行かなくてもラプターズの試合を楽しむ方法はあります。正直に言ってしまえば家で観戦してしまえば1番安上がりです。しかし、カナダではテレビ契約をしないといけないことや、2〜3時間テレビを独占することはなかなか難しいですよね。

北米にはスポーツをテレビ観戦しながらビールを飲む文化が定着していて、トロントにもそこかしこにテレビが設置されたスポーツバー・レストランがあります。観戦することを売りにしているお店に入れば、店内のお客が一体になって応援している事もよく見かける光景です。外食ついでに試合も楽しむことができて、カナダの文化も垣間見えるので、スポーツバー観戦は手軽にラプターズ観戦を体験できる良い方法です。

KK TIPS

通常より長く席を取ることになるのでいつもより多めにチップを払うことは忘れないようにしましょう。

一番のおすすめは「RS」

Real Sports Bar and Grill (RS)

トロント・ラプターズを観戦するお店で1番お勧めな場所は「Real Sports Bar and Grill」です。ラプターズの本拠地スコーシアバンクアリーナに隣接しているスポーツバーで、アリーナに入場する前に時間を潰す場所としてもファンから人気のお店です。*2019年の改装後から「RS」に改名されています。

店内の面積もトロント市内で屈指の大きさ。少し堅苦しい見た目ですがカジュアルな服装でも大丈夫です。ただ超人気店なので、試合の直前や試合の時間に訪れたい場合は早めに予約を入れましょう。何よりお勧めな理由はラプターズと経営母体が同じ会社ということ。ラプターズを応援するために作られていると言っても間違いではないでしょう。そう言える程特大サイズのスクリーンが店内の壁を飾っていて、スクリーンの画面に映されたプレイで一喜一憂する店内の空気は、もしかするとアリーナ内より盛り上がっているかもしれません。

Information

名前
RS (旧 : Real Sports Bar and Grill)
最寄駅
Union station (徒歩1分)
電話番号
(416)8155983
住所
15 York St, Toronto, ON M5J 2Z2
HP
https://www.rs.ca/

日本で見る方法は?

現在日本では、楽天が NBA と独占契約を結んでいる為、正式に配信されているサービスは NBA Rakuten のみとなります。
https://nba.rakuten.co.jp/

VPNを利用し、海外サーバーから本国のNBAリーグパスに直接契約する方法などもありますが、値段もあまり変わらないので、元々他の目的でVPNを利用している人であればアリかもしれませんが、そうでない場合は大人しく NBA Rakuten に登録してみましょう!

最後に

今回はカナダのトロントを本拠地にするバスケットボールチーム、トロント・ラプターズについてまとめました。観戦に興味あるけど迷っている人や、知るスタートとして軽くまとまった情報を知りたい人の助けになれば幸いです。

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この記事を書いた人

Hajime (KK Friends)

トロント歴10年。現地にある George Brown College を卒業。現在は、サイドハッスルとしてイラストレーター ・アニメーターとして活動するのが生きがい。バスケットボール / NBA がめちゃめちゃ好き。

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